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概要

親子相互交流療法(Parent-Child Interaction Therapy: PCIT)は、1970年代にフロリダ大学Eyberg教授により考案・研究されたエビデンスに基づいた行動療法であり、幼い子どものこころや行動の問題と育児に悩む親(養育者)の両者に対し、親子の相互交流を深め、その質を高めることによって回復に向かうよう働きかけます。近年では発達障害領域や虐待のリスクのある家族など次々に適用が広がっています。
PCITの対象は2.5-7歳の子どもと親、里親などの養育者であり、セラピストが直接コーチすることで、親と子ども両者の行動とその関係に肯定的な変化を起こします。プログラムは、親が子どものリードに従い互いの関係を強化する前半部分である「子ども指向相互交流(Child Directed Interaction: CDI)」と、親が遊びをリードし適切な命令を出しつつしつけを行う後半「親指向相互交流(Parent Directed Interaction: PDI)」の二相からなり、子どもの問題行動の強度と親のスキルマステリーを、それぞれアイバーグ子どもの行動評価尺度(ECBI)と親子対の相互交流評価システム(DPICS)の2つの尺度を用いて行い、アセスメントに従って進捗します。1回のセッションは約60分、実施回数は家族ごとに異なりますが、一般的に12回から17回ほどで修了します。
PCITは日本には2008年に導入され、現在、児童相談センターや民間メンタルクリニック、大学臨床心理センターなどを基点に全国に広がりつつあります。本編では日本へのPCITの導入経過や、日本語論文の動向、東京都児童相談センターの取り組みも紹介しています。